Gemini 3.8 Flashと3.7 Flash:思考設定で実行コストはどう変わる?

Gemini 3.8と3.7 Flashを、発売時の評価、現在の料金、思考レベル、移行時の確認事項で比較。単価だけでは分からない請求額の違いを整理します。

セージグリーンの背景に淡いカード、その上に一筆描きで小石を載せた 2 つの開いた手、横に黒とテラコッタの幾何学モチーフの格子、下にセリフ体のタイトル Gemini 3.8 Flash vs 3.7 Flash

Gemini 3.8 Flashと3.7 Flashの直接接続Standard単価は同じですが、モデルを切り替えると請求額は変わり得ます。 判断したいのは、自分のタスクで採用できる結果が増え、その総費用と待ち時間が許容範囲に収まるかどうかです。

2026年9月14日更新。現在の料金・接続状況と発売時のベンチマークを分け、過去のスコアを現在のランキングとして扱わないよう整理しました。

Gemini 3.8 Flashで何が変わった?

Googleは2026年9月2日にGemini 3.8 Flashを公開しました。発表記事では、特に高い思考設定で、複雑なタスクに対する推論と反復的なツール利用を増やしたと説明しています。効率を重視する用途では思考設定を下げたり、3.7を継続したりできるとも案内しています。追加の処理が難しいタスクに役立つ一方、出力量や実行時間は増える可能性があります。

これは移行を試す理由にはなりますが、すべてのリクエストでトークンが30%増える、あるいはすべてのタスクが改善する根拠にはなりません。

トークン料金と思考設定

項目Gemini 3.7 FlashGemini 3.8 Flash
2026年末までのStandard入力 / 出力、100万トークンあたり$0.75 / $3.75$0.75 / $3.75
2027年1月以降のStandard予定単価、入力 / 出力$1.50 / $7.50$1.50 / $7.50
思考レベルlow、medium、highlow、medium、high
デフォルトmediummedium
minimal非対応非対応

料金はGoogleの料金ページ、思考レベルは3.73.8のモデルページに基づきます。出力料金には思考を含みます。料金ガイドではBatch、Flex、Priority、キャッシュ保存料と予算例を説明しています。

発売時のベンチマークが示したこと

Artificial Analysisの発売記事は次の結果を報告しています。2026年9月2日の発売時点の記録であり、現在のモデルページの評価ではありません。

モデルと思考設定発売時のAA Intelligence IndexAAの加重Cost per Task
Gemini 3.8 Flash、high59$0.58
Gemini 3.8 Flash、medium57$0.41
Gemini 3.8 Flash、low52$0.24
Gemini 3.7 Flash、high56$0.40

同記事はhighで、3.8のタスクあたり出力トークンが約30%多かったと報告しています。表示された加重コストは$0.40から$0.58へ増えており、この丸められた数値で計算すると45%増です。この評価内ではmediumで費用が下がったため、費用を重視するなら試す価値があります。

AAのCost per Taskは重み付けされた評価指標です。1タスクに複数のモデル呼び出しやツールとの往復が含まれるため、APIリクエスト1回の価格ではありません。 評価の版やモデルページは更新されます。発売時の表に現在の指数全体のトークン数を混ぜたり、ランキングのスコア変化だけをモデルの性能低下と解釈したりしないでください。

59点という数字から、あるアプリに「59点が必要」とはいえません。問い合わせ分類、SQLの書き換え、コーディングエージェントでは、それぞれ合格条件が異なります。

予算の判断に使える移行テスト

3.7がすでに正解する例と失敗する例の両方を含め、代表的な入力データを両モデルで共通に使います。まず現在の本番設定で比較し、費用が重要なら3.8のmediumやlowも試します。提供元の経路とサービス区分もそろえてください。

記録する項目理由
固定した基準に合格した結果アプリにとっての改善を測る
課金される入力・出力・思考の全トークン同一単価では見えない費用変化を把握する
ツール呼び出し、再試行、失敗タスク完了までの費用を捉える
ツールを含む開始から終了までの時間出力速度だけでは分からない待ち時間を測る
出力の打ち切りとスキーマ違反単純なテキストデモでは見えない悪化を検出する

すべての試行の合計費用 ÷ 合格した結果数を計算します。合格が0件なら、成功あたり費用を出すのではなく失敗を報告してください。画面に見える回答の長さだけで請求全体を推定しないことも大切です。

ネイティブgenerateContentでは、candidatesTokenCountthoughtsTokenCountを含むusageMetadataを丸ごと保持します。互換レスポンスではcompletion_tokensに推論が含まれる場合があるため、加算前に提供元の定義を確認してください。料金ガイドで違いを説明しています。

モデルID変更時の確認事項

Googleの同じ対応APIで単純なテキストリクエストを送る場合、モデル指定は次のように変わります。

- model="gemini-3.7-flash"
+ model="gemini-3.8-flash"

この変更だけでは移行テストとして十分ではありません。

  1. 思考設定。 対応レベルを使います。ネイティブRESTはgenerationConfig.thinkingConfig.thinkingLevel、SDKでは名前が異なる場合があります。古いモデルのminimalをそのままコピーしないでください。
  2. 出力とタイムアウトの予算。 推論、長い回答、複数ターンの実行を含めて試します。
  3. ツールと構造化出力。 スキーマ、ツール結果の処理、アプリが保持する会話状態を確認します。
  4. 提供元とリージョン。 Googleのネイティブ文書だけでなく、実際に使う経路の可用性と機能を確認します。
  5. 切り戻し。 新設定が同じ合格基準を満たすまで、以前の設定を保持します。

OfoxからGemini 3.8 Flashを呼び出す

OfoxにはGemini 3.8 Flashが掲載されています。IDはgoogle/gemini-3.8-flashで、OpenAIとGeminiの両プロトコルに対応しています。OpenAI互換クライアントにはhttps://api.ofox.run/v1、ネイティブリクエストには文書に記載されたGemini経路を使います。料金・接続ガイドに、そのまま構成を確認できるコード例があります。

選択する提供元の料金と対応オプションを確認してください。カタログ掲載は文書上の可用性を示すもので、特定のツール処理のテスト完了を意味しません。今回の記事更新では有料推論による比較を実施していません。

どの用途を移行する?

自分の評価で、品質改善が費用と時間の制限に収まった用途を移行します。3.7が要件を満たし、変更による実測の利点がない用途では維持できます。使い分けも選択肢ですが、管理の手間に見合う結果がある場合に限ります。

2027年1月をまたぐ予算は、予定されている直接接続の単価で再計算してください。トークン数が同じなら単価倍増によりトークン料金部分は倍になりますが、ツールと保存料は別途計算が必要です。

よくある質問

Gemini 3.8 Flashは3.7 Flashより高いですか?
Gemini APIへの直接接続のStandard単価は同じです。ただし出力、思考、ツールの往復、再試行が変われば請求額も変わります。発売時の評価ではhighで加重コストが上がりましたが、すべてのリクエストが同じ割合で値上がりするという意味ではありません。
どれくらい性能が上がりましたか?
Artificial Analysisの2026年9月2日の発売記事では、high設定のスコアは3.8が59、3.7が56でした。これは当時の評価であり、現在のランキングや個々のタスクの性能を保証するものではありません。
アップグレードすべきですか?
実際に使う思考設定と代表的なタスクで比較してください。採用できる結果の品質改善が実測の費用と時間に見合う場合に移行します。総合スコアだけを合格基準にはできません。
モデルIDを変えるだけで十分ですか?
同じ対応プロトコルで単純なテキストリクエストを送るだけなら、それで動く場合があります。本番移行前には思考設定、出力上限、構造化出力、ツール呼び出し、会話状態も確認してください。
Ofoxから使えますか?
Ofoxにはgoogle/gemini-3.8-flashが掲載され、OpenAIとGeminiに対応しています。選択する提供経路の料金と機能を確認してください。掲載されていることだけで、すべてのアプリの処理が検証済みとはいえません。